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本気になんかならない

第11章 王子様

「10秒くらい待ってて?」

そう言って立ちあがった彼は、そんな私のほうにやって来て

えー?何で何で?
どうしてどうして?

近づいてくる彼を見つめて

な、何を喋るんだろ?
え?手がこちらに伸びてきた…


もしかして、ハグされる?

残り10秒、いえ、8秒で?

私、彼氏がいるのに?

でもっ、宮石君にならっ!


そんな脈絡もない甘い妄想爆裂中の私をよそに
彼は、私の耳横に咲いたサザンカの枝を手折った。

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