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本気になんかならない

第11章 王子様

あー、花ね。
私なわけないよね。

おかしいよね、このシリアスな場面で傍観者の私に笑いかけるなんて。
そんなあるはずのないこと考えちゃうなんて。
なんて自意識過剰…。

ひとり勘違いひとり突っこみの私のことなんか、存在してもいないかのように

彼は花の香りを嗅いで。
そして、そのコのところまで戻り、その胸に花を飾る。

「よくがんばったな」としばらく目を閉じて。

ずっと閉じて。



いつまでああしてるんだろう?

風邪引きゃしないか心配になって近づいた私。

だけど、何て言葉をかければいいんだろう。


そんな私の気配に気づいたのか、彼がこちらをちらっと見た。

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