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本気になんかならない

第2章 北里

弾き終ると、まばらな拍手のなかで席につく。

「うまいじゃん。もっと弾けよ」

「いや、もう」

客の反応が語ってるだろ?
俺よりも、そこのテナーのお姉さんだ。

だけどそのお姉さんは、
楽器を置いたままこちらにやって来た。

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