テキストサイズ

本気になんかならない

第13章 争奪戦

そして、
ちょうど部内で流行っていたのが
蜂蜜レモンだったこともあって。

これを男子に差しいれしたら
めでたくステップアップなんて
ジンクスもあったりして


計画を思いついた私は
普段は縁のないデパ地下へ。

無農薬、無化学肥料に特別栽培!
奮発して何だか身体によさそうなレモンと
少しリッチな蜂蜜とビンを買って
自宅で漬け込んで

簡っ単!完っ成!


なのに当日、モタモタして
気づけば彼の集合時間は迫っていて

だけどまだ大丈夫。
だって私は中距離ランナー!
とはいっても実力は…そこそこで

それでも、弓道部のバスに間にあった。

息をしずめて見あげると
そこに和波君の笑う横顔があって、

私はコツンと窓をノックした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ