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本気になんかならない

第3章 2月14日

初めて入った大学構内は広大で、
目当ての人間、ただひとりを
見つけるなんて至難の技だって痛感した。

玄関に名前を書いた靴箱があるわけもなく。
てか俺、彼女の所属学部さえ知らない。

だけどせっかく来たんだからと、俺は歩きだす。
人工の川が流れ、レンガの道と芝生が広がり。

その奥を行くと、雑木林。
原型を止めない茶色い落ち葉を
踏みわけて進んだ。

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