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本気になんかならない

第3章 2月14日

脇に転々とベンチがあって、その1台1台に
カップルが昼間から肩を並べてた。
この寒いのに。

ひそひそと囁く声に混じって、
男女の声がはっきりと聞こえてきた。

「こないだあわせたの、マジ気持ちぃかった」

「ひとつになる感じだよね」

「な。またしよ?今夜とか」

「いいよ。だけど、
彼氏に呼ばれたら抜けるからね」

「仕方ないな。俺が本気にさせてやるよ」

いったんは立ちどまった俺、足早に通りすぎる。

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