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本気になんかならない

第21章 古りゆくもの

「あ!これ、あそこの遊園地じゃない?
やっぱり!このペンギン、私なの!」

それはチビふたりと、まるまるとしたペンギンのショットで

「仲良し双子だと思ってたら
和波君のごきょうだいだったんだ…」

「え?このなかに入ってたの?バイト?」

こんな小さなメグが、俺よりずっと早く働いてるなんてびっくりで。
その行動力とたくましさに、俺は尊敬すら抱くようになった。

「そう!小遣い稼ぎ!
もしかして、和波君もこのとき、来てた?」

感心中の俺のとなりで、あっけらかんとメグは尋ねてくる。

「うん。撮影後に合流したと思う。
あとひとりは絶叫系アトラクションに夢中で」

なかなか戻ってこなかったんだ…って
苦情は言わないでおいた。

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