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本気になんかならない

第21章 古りゆくもの

「あ、いや。今、言うのは無理かな。
だけど、
宮石が思っているようなことじゃないからな!」

俺が思っているようなことじゃない?
だったら、キス…って相手は、、
人間じゃないのか?

「クルマにキス(ぶつかった)ってこと?」

「クルマじゃないけど、事故だと思ってくれていいよ…」

まさかバスに?

夏休みのあいだにでも免許とって
そして、車中でもあいかわらず何か食べていて
喉に詰めて、ぶつかった?

今、学校にバレると推薦枠が危ないから
これは口外できない?

「そっか…身体が無事でよかったな」

部長のつくろいは濁ったままだけど、
もういいや、俺の乱雑な推論を採用で。

メグの相手が部長じゃなくても
彼女が俺との別れを望んでいるのは明白だから。

「ありがと。それとな、誕生日おめでと。
これ、昨日に言いたかったんだぞ?
勝手に授業フけやがって、お前は」

「…どうもありがと」

俺が礼を述べると同時に、部長は俺の胸に駄菓子を渡してきた。

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