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本気になんかならない

第4章 鍵

そのソファでは、犯人がだれていた。

「もう兄貴、なかなか寝なくてまいったよ」
眠そうな顔で帆澄がぼやく。

それは俺もだと思ったけれど、帆澄の意図がわかった俺は嬉しくて、そんな苦情は吹っとんだ。

「まだ開けてないけどありがとう。ホント、嬉しいよ」

ゴミにしか見えなかったけど、クリスマスプレゼントが枕元にあったのなんて、ずいぶん昔だもんな。
そう言って、帆澄にも俺から渡す。

「俺にもあるの?兄貴から?え?兄貴も俺の寝るのを待ってたの?ふはっ」

嬉しそうに帆澄は笑った。
そのうちに下のふたりもやって来る。

「サンタさんが来たよ!」

とその手に持つのは、俺からのと、きっと帆澄からのブーツ。

家族がいれば、こんなクリスマスが過ごせるんだ。

北里は、どう過ごしたかな?
やっぱ、彼氏と、かな?

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