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本気になんかならない

第28章 green flowers

「お、来てくれたのか!和君。
開いてるから入れ、入れ!」

「いえ、今日は客ではなく…」

ピアノ男は、渋る俺の背を押して店内に誘導した。

「あっれ?汗?
こんな濡れて、着替えなんてないよな?
俺の貸してやるから、シャワー使えよ。
ここ、俺の家じゃないけど、俺のみたいなもんだから」

それ、俺からしたらまったく他人の家だろ?

「いや、忘れ物を届けにきただけなんで
部長が来たらもう帰りますからっ」

開店準備中のフロアは、林のなかのようにテーブルの上にひっくり返った椅子がかけてある状態で。
やっぱり部長は来てなくて。

途中で家にでも立ち寄ったか?
それとも、スマホがないのに気づいて、俺とは別ルートで大学に戻った?

それなら大学に戻って教えてやらなきゃ。
またすれ違ったときのために、スマホはこの人に預けときゃいいだろ。
って俺は考えた。

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