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本気になんかならない

第28章 green flowers

ペナルティから逃れた俺、歓迎会らしく食事が始まってホッとした。

その料理、見た目もさることながら

「美味しい…」

言う気もなかったのに、俺はつぶやいた。

「だろ?たんと食え。てか、残すな。
もう食っちゃってるけど、食前酒」

和史さんはニッと笑ってテーブルにグラスを置く。

……そんなの無理
だけど、残したらヤバい?

と焦りつつ、グラスを見つめる。

透った深紅だな
彼女に似あいそう……

口元に引きよせた瞬間に鼻にかするカシスの香り。

「これ何ですか?」

「ロマネコンティ(高級フランスワイン)」

「ウソ過ぎますっ!」

「よくわかったな。最高の出会いに乾杯!」

「それがこのカクテルの名前ですか?」

「イメージと作りかたは覚えてるんだけど、名前だけが思いだせなくてさぁ」

「じゃあ、何が入ってるんですか?」

「そりゃ、愛だろー?」

「……ああ、勉強になります」

彼女に作ってあげたいなとか
思ったわけだけど、カシスと…ワイン、かな?

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