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本気になんかならない

第29章 オーバーラップ

泣き疲れで眠ったハニィとリィにタオルケットをかけて、ソファで目をつむって動かない帆澄に「横になれよ」と声かけて

そんな3人を見つめながら、俺は思う。
つらいだろうな……。俺も、つらい。。
…俺を引きとってくれた優しい両親。
俺は、感謝の気持ちも満足に伝えられていなかった。

就職して、両親の役に立ちたかったんだ。
一緒に働いて、
和波を息子にしてよかったって思ってもらいたかったんだ。

なのに、意地はって別居したりして、
俺は悪い息子だった…。

ふと目に映ったのは、壁にかかるカレンダー。

この月があるから、この日があるから、
事故が起こってしまったんだ。

その日のコマを切りぬいて、
1日がなかったことにできたらいいのに。

その日が存在すらしていなかったら、
事故なんて起こらなかったのに。

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