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本気になんかならない

第31章 スクロール

朝食をいただき、無断欠勤を許された俺は予定どおり、大学に足を運ぶ。
そして、午前中の授業も終わり、さて昼食かと思っていた時分に貴志と遭遇した。

「俺さ、昨日スマホを家に忘れて、そんなときに限ってお前、いなくなるし焦ったんだけど。
彼女がいたなんて、知らなかったな」

「彼女じゃないよ。
和史さんが妙なこと言ったかもだけど違うから。

昨日は、ちょっと食事してたら
成りゆきで病院に付きそうことになっただけ」

「ふうん、ちょっと食事?」

貴志はその成りゆきは理解できないと怪訝に俺を見た。

「向こうは結婚して子どももいるんだ。
俺は対象外」

「そんなこと言って、宮石は好きなんだ?」

俺は、「まあね」と素直にうなずいた。

そしてふたり、そのまま教室で手持ちを広げる。
俺はコンビニからの弁当、貴志は食パンと駄菓子の盛りあわせ。

焼き鮭と玉子焼きを1かけづつ渡すと、頭をさげた貴志はそれを食パンにはさんで食べ始めた。

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