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本気になんかならない

第31章 スクロール

食べ終って、貴志からもらったスティックゼリーをデザートにいただきながら尋ねる。

「貴志はいないの?好きな人」

「俺は、、まぁ」と濁す彼に、
「いるんだ?」と付加した。

「俺も対象外。どうあがいても対象外」

「何で?年上既婚者?俺の知ってる人?」

「んー。同いで、フリーかな。
だけど、不毛な片想いしてるらしい」

そう言って、クスクスと笑った。

「不毛な?だったら、声かけてみたら?」

「…いいんだ、俺は。このまま友だちで」

「謙虚だな。
貴志って頼りがいあって男らしいから、
押せばいけるかもって思うのに」

「ないよ」

恋愛相談を受けるほど近いところにいる関係なのなら、期待できるんじゃないかと思うのだけど、貴志はやっぱり笑ってごまかした。

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