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本気になんかならない

第33章 告白

半分以上ニヤケてたかもな俺。
浮かれすぎて大事なこと聞くの忘れてたと、慌てて尋ねる。

「つぎ、いつ会える?」

「実家に帰るから、しばらくはごめんね?
年明けに、こども園が始まったら…」

「俺はサナちゃんとも会いたいよ?
動物園とか、嫌いかな?」

「でも、いきなりだとサナもビックリしちゃうでしょ?」

そっか。
サナちゃんだけでなく、北里のおうちの人にもご挨拶したいけど、まだ早いんだろな。

「俺の連絡先、わかる?
あの手紙に書いておいたんだけど」

「うん。あっ、ここで降ろして?
じゃあ、和君。今日はありがとう。

私からのプレゼント、使ってね。
私も使うから、ずっとおそろいね」

「うん、ありがとう。
じゃあ、、年末年始、呑みすぎに気をつけて」

「ひっどーい!誰が呑みすぎますかっ?」

「ははっ。…大好きだよ」

窓から俺がねだると、周囲を見まわした北里は静かに唇をあわせてくれる。
歩きだした彼女は曲がり角で振りかえり、大きく手を振った。
キラッと指輪がきらめいた。

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