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本気になんかならない

第5章 レスポワール

一応、弓道部員の俺。その日の部活帰りぎわに、また名前を呼ばれる。

「宮石君、お疲れ!さっきの皆中(かいちゅう)、おめでとう!カッコよかったから一緒に帰ろ!」

「あ、見てたの。ありがとう」

あ、俺の"ありがとう"、本日ふたりめ。
…で、この人誰?

「4本、まさかあてるなんてね。小浜さんにぶたれたのに、さすがの精神力ね」

「それ、余計」

むっつりとした俺を見て小さく笑ったそのコは、紙袋を渡してくる。

「私からもチョコ。貰ってね?今日は何個もらったの?」

「初めてだよ」

「本当?ほかにも貰う予定ないの?」

「ないな」

「じゃあ、渡されても受けとらないでね?」

もう渡されるなんて勘弁だよ。
渡す予定はあるけれど。

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