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本気になんかならない

第5章 レスポワール

開店前のバーに入る。と、マスターが難しい顔。

「おい、、その顔か?」

「はぁ、目立ちます?」

「薄暗くてもわかるよ。きっと笑われるぜ?」

「ですよね…」

着替えを済ませた俺が渡されたのは、ベネチアカーニバルで使うようなアイマスク(コロンビナ)。

「ああ、完璧な仮装になったな。喋らなきゃ、お前だってわからんよ」

「くくっ」と笑いながらマスターは、俺の肩を"がんばれ"と優しく叩いた。

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