テキストサイズ

本気になんかならない

第38章 ファーザークリスマス

それからは、出会えば挨拶と少しの話をするようになって。
運動会、観客スペースにシートを敷いていると、となりにやってきた小川さん。

「あれ?お母さんはお仕事?」と尋ねたところ

普段、送迎に来ているのはお手伝いさんで、父ひとり子ひとりなのだと明かされた。

子どもから聞いたのか、私が離婚したことはご存じで。

「お互いたいへんですね」、と言いあった。

お昼は、お弁当を広げあって。

「レトルトばかりで、お恥ずかしい…」

「いえ、懐かしいですよ。ちょっと取りかえっこしませんか?」

そんな、滅相もない…。
社長さんのお口にあうわけがないと拒否したかったのだけど、押しきられて分けあうことに。

我が家では、お正月にも食べられない豪華絢爛なお料理が、肉だんごやタコさんウインナーと交換されていく。。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ