テキストサイズ

本気になんかならない

第39章 幸せ所有格

そして、みんなに頭をさげて謝る私。

「ありがとう。お騒がせしました」

「ああ。一応言っとくが、俺の留守中に男をあがりこませるなよ?さ、飲みなおすぞ」

兄を先頭に、リビングへ戻った。

テーブルをキレイにしているあいだも、3人の視線が私に注がれているのがわかる。

できればこのまま紗波の布団にもぐりにいきたいけど、無理よね…と、覚悟を決めて座った。


義姉がグラスを配っているあいだに口を開いたのは、我が兄。

「で、誰だ?サンタクロースって」

やっぱりその話、くるよね…。

まだ、つきあい始めたばかりだから、もう少し経ってから話そう、って考えてたんだけど。

私は少しずつ口を開く。

つい先日にプロポーズされたこと。

ふわっと優しくて照れ屋さんで。
それでいて、芯のしっかりした男性だってアピールして。

腕っぷしもよくて、私が(校長に)襲われそうになって絶体絶命なとき、颯爽と駆けつけて助けてくれたの…と、ちょっぴり誇張。

妹と兄嫁は心配げながらも、ウンウンとうなずいて耳を傾けてくれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ