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本気になんかならない

第40章 My own decision

その時間頃、彼から『待ってるね』と連絡が来て、向かっていた私も足早になり、前をゆるやかに歩く男女一組を追いこす。

と、聞こえる。
鼻にかかったような甘い声。

「ねぇ、カズくぅん」

え?
と私は、条件反射のように振りむいた。

そこを歩いていたのは、何度か顔をあわせたことのある。
一森(カズモリ)なんとかって男と、誰かさん。

気づいた一森が口を開く。

「あれっ、久しぶりですね」

「え、うん。久しぶり」

"元気そうね、さよなら"とそっけなく別れるつもりだった私は、つぎの一森の言葉に足を止める。

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