本気になんかならない
第40章 My own decision
「あれ?あそこにいるの、宮石和波だ…」
一森が指すのは、道路をはさみ、ポプラの大木の向こう側。
図書館の玄関横に寄りかかった彼は、片手で文庫本を開いていた。
「知ってるの?」
彼のことをフルネーム呼びすてにするなんてってムッときたけど、ここは我慢。
「同じ高校でしたもん。
メグの彼氏っすよ。そのうち紹介されるんじゃないですかぁ?
薄っぺらいくせに強いんすよね。
でも今、やりあったら俺が勝つかも。見てくださいよ、俺の鍛えぬかれたこのボディ」
一森が胸をそらすと、「カッコいい!」と抱きつく彼女。
「えっ?……そうなんだ。がんばったのね」
何がそんなに自慢なのかわからなかったけど、彼女に任せてその場を離れた。
渡るつもりだった図書館前の横断歩道を、私は通りすぎた。
和君、、あなたは………。
***紀子side//***
一森が指すのは、道路をはさみ、ポプラの大木の向こう側。
図書館の玄関横に寄りかかった彼は、片手で文庫本を開いていた。
「知ってるの?」
彼のことをフルネーム呼びすてにするなんてってムッときたけど、ここは我慢。
「同じ高校でしたもん。
メグの彼氏っすよ。そのうち紹介されるんじゃないですかぁ?
薄っぺらいくせに強いんすよね。
でも今、やりあったら俺が勝つかも。見てくださいよ、俺の鍛えぬかれたこのボディ」
一森が胸をそらすと、「カッコいい!」と抱きつく彼女。
「えっ?……そうなんだ。がんばったのね」
何がそんなに自慢なのかわからなかったけど、彼女に任せてその場を離れた。
渡るつもりだった図書館前の横断歩道を、私は通りすぎた。
和君、、あなたは………。
***紀子side//***