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本気になんかならない

第41章 妹

もっちーを追おうと廊下に出ると、手を振って階下へ去るちゃんちゃんこが見えた。
そして、俺のすぐ脇にスッと立つ…この人がもっちーの姉婿で、大将の息子…。

「こんばんは。突然、お邪魔してすみません。
正木晴哉と申します」

顔を向けると、大将の息子はペコリとていねいに挨拶した。

スーツ姿の彼に対し、俺は上下スウェット100%。
それも何度も洗ってくたびれてる、完全なるオフの服…。
この時点で、平常心は崩されてる。。

とても初対面の人に会う格好じゃないけど、しかたない。
態度だけでも、取りつくろう。

「初めまして、宮石和波です。
お父様、意識が戻られたとかで本当によかったです」

「はい。これも宮石さんが、倒壊寸前の店から父を連れだしてくれたからです。
これ、お礼に受けとってください」

菓子折りを受けとり、礼を言って、大将の容態などを少し聞いて。。

廊下の立ち話での心苦しさが、募ってきた。

「先ほどからこんな格好ですみません。
すぐに着替えますので、客間でお待ちいただけますか?」

早くにこうすればよかったと反省しながら、彼を客間に案内し、ズボンとシャツに身体をとおした俺は、飲み物を手に彼のもとへと戻った。

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