本気になんかならない
第41章 妹
「何しに来たの?」
と、尋ねる前から、もっちーは手をヒラヒラとして入ってきた。
「見舞いよ、見舞い。
まー、軽い火傷でよかったな。
あの店の大将も意識回復したらしいぞ?」
「それは何より。なんで知ってるの?」
「大将の息子さんが、俺のねぇちゃんの旦那さんでさ、お前に礼がしたいと言うんだよ」
はぁ、あの大将ともっちーって親戚だったのか。
「え?いいよ。たいしたことしてないし」
「でももう、連れてきた。
じゃ、俺の用事は終わったから帰るわ。
先に言っとくけど、粗相のないように。
お前のことは、実物以上によく言っておいたから」
「そんなの困るっ」
こんなヤツだったのかと、あとから減点くらうなんて、悲しいだけじゃないか。
反論しようとした俺に、もっちーが言った。
「お前、大丈夫だよ。
顔をあげて、しっかり前を向いて、いい表情だ。
平常心で自分をつらぬけ」
そんな、受験に挑む子どもを送りだすようなセリフ言ったって俺は感動なんかしないぞ?
と、尋ねる前から、もっちーは手をヒラヒラとして入ってきた。
「見舞いよ、見舞い。
まー、軽い火傷でよかったな。
あの店の大将も意識回復したらしいぞ?」
「それは何より。なんで知ってるの?」
「大将の息子さんが、俺のねぇちゃんの旦那さんでさ、お前に礼がしたいと言うんだよ」
はぁ、あの大将ともっちーって親戚だったのか。
「え?いいよ。たいしたことしてないし」
「でももう、連れてきた。
じゃ、俺の用事は終わったから帰るわ。
先に言っとくけど、粗相のないように。
お前のことは、実物以上によく言っておいたから」
「そんなの困るっ」
こんなヤツだったのかと、あとから減点くらうなんて、悲しいだけじゃないか。
反論しようとした俺に、もっちーが言った。
「お前、大丈夫だよ。
顔をあげて、しっかり前を向いて、いい表情だ。
平常心で自分をつらぬけ」
そんな、受験に挑む子どもを送りだすようなセリフ言ったって俺は感動なんかしないぞ?