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本気になんかならない

第43章 扉

園の駐車場に着いて、北里と紗波ちゃんが後部座席に乗ったところで、俺は運転席からふたりに向く。

「紗波ちゃん、おかえり。楽しかった?」

「うんっ!
今日はね、お宮の森でドングリいっぱい拾ったんだよ。
和せんせー見て、見てー、鹿さんにあげるの!」

紗波ちゃんは満面の笑みで、園カバンからゴソっと出したビニール袋を見せてくれる。
袋のなかは、丸いものや長い形のドングリがぎゅうぎゅう詰めだった。

「すごいたくさんだね。
鹿さんってドングリ食べるんだ?」

「そうだよ。
今から、ドングリクイズするから考えてね。
第1問っ、ドングリころころは、どこに落っこちたでしょうか?」

「ええ?うーんと…まってね、考えるから」

紗波ちゃんからのクイズに首をひねりながら、姿勢を正した俺はアクセルを踏んだ。

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