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Memory of Night

第6章 再会


「フツーに痛めつけるだけじゃつまんねーよ。……あの薬、使う」


 意味深な笑みを浮かべて、金髪男が提案する。

 『あの薬』……という言葉に、不良達は動きを止めた。顔を強張らせ、その場に凍りつく。

 盛り上がっていた空気は緊迫したものへと一変する。

 やがてその中の一人がおそるおそる口を開いた。


「アレ……使うのはちょっとヤバくねぇ? だってあれ、ドラッグってゆうより毒薬に近いじゃん。……捕まっちまうよ!」

「そうだぜ。やめとけよ! あいつ死んじまうよ……」

「そんなもん知るか」


 仲間達の必死の制止にも、金髪男は聞く耳を持たない。

 自分に傷をつけ、恥をかかせた男を、絶対に許せなかった。


「とにかく、協力しろよ。おい! 誰か薬の輸入ルート知ってるヤツいるか?」


 沈黙。長い沈黙に苛立った男が、再び青いゴミ箱を蹴りつけた。

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