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Memory of Night

第2章 部屋


 こんなふうに、やった時の感覚をずっと感じ続けるのは、やったらスパッと切り捨てるタイプの宵にはめずらしかった。

 宵は封筒を見つめ、乱暴にズボンのポケットにしまった。


(どうせアイツんち、金あるんだろーし……)


 今の宵には、金はのどから手が出るほど欲しい代物だ。宵には大金が必要だった。

 そして、金を稼ぐのに体を使うことは、何よりてっとり早い方法なのだ。


(あーあ、次は誰誘うかな)


 クラスメートの顔をぼんやりと思い浮かべながら、宵は再び歩き出した。

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