Memory of Night
第3章 秘密
「うわ……すごい適当に書いてんね」
「だってめんどくせーんだもん」
「でも、あんまり適当だと書き直しさせられるよ?」
「じゃあ、ゴン太が書いて?」
「いいけど……またお金稼ぎに行くの?」
ゴン太の言葉に、宵が顔を上げる。
「行かねーけど。……ちょっと寄るとこあるんだよ。だから頼む」
「どこ?」
「ん?」
宵は一瞬押し黙り、わずかに瞳を細めて答えた。
「病院だよ」
「え? びょ……」
驚いた顔をするゴン太に、宵は書きかけの日誌を差し出す。
「頼むよ」
「うん、わかった!」
大きく頷いて見せるゴン太を残し、宵は教室から出ていった。