テキストサイズ

Memory of Night

第13章 吉報


 志穂への面会の許可がおりたのは午前中。その日の午後には警察がやってきた。

 不良たちのことで話が聞きたいのだと言う。

 不良たちとの関わり。晃との関係。学校でのことまでかなり細かく聞かれたが、咎められることはなかった。

 体を売って金を儲けていたこともなんとかバレずに済んだようで、警察官から受けたのは、ケンカをしたことへの厳重注意のみ。

 宵はほっと胸をなで下ろした。

 そうして、さらに夕方。


「宵くん。お友達が来てくれたわよ」


 ドアからひょっこり顔を覗かせ、いつもの看護婦が言った。


「友達?」


 その言葉に、一瞬晃の顔が思い浮かぶ。

 だが、体を起こすと予想に反して、看護婦はこんなことを言う。


「綺麗な子ねー。もしかして彼女さん?」

「…………は?」


 その質問に思い当たる人物もなく首をかしげていると、看護婦はドアを大きく開いてその人物を部屋に招き入れた。


「よっ、久しぶりー。怪我の調子はどう?」


 その姿を見れば、納得といえば納得。

 学生鞄と紙袋を両手にさげて、とびきりの笑顔で部屋に入ってきたのは明だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ