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Memory of Night

第13章 吉報


「……あれー全部入んないや。あ、てかこのどら焼き食べていい?」

「……聞けよ、人の話」


 宵の言葉など丸ごと無視で、明はマイペースにお菓子の整理を続けている。

 冷蔵庫に収納できなかったどら焼き含めたいくつかのお菓子をその上に置いて、ようやく宵に視線を戻した。


「聞いてるけどさー。また重いの持って帰るのやだし、早く冷やさないと生ものだから傷んじゃうよ? 看護婦さんとかにおすそ分けして食べなよ」

「なんで預かってくるんだよ、そんなにたくさん」

「……まさかこんなに頼まれるとは思わなかったし。一人受け取ると断れないじゃん、こうゆうのって」


 申し訳なさそうな顔で手のひらを合わせる明に、これ以上責めるのも酷なような気がしたけれど。

 宵はベッドから身を乗り出して冷蔵庫を開け、中の食べ物を確認した。

 生菓子はそれほど多くない。ケーキやお饅頭、カステラなどがいくつか。

 生菓子の奥には、りんごやバナナなど果物もあった。

 そして、冷蔵庫の上にはどら焼きと、飴やスナック菓子などが積まれていた。

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