Memory of Night
第15章 告白
「ここにチューしてくれたじゃん。あと、熱い告白も嬉しかった。寝起きで掠れた声は色っぽいし、宵の俺への愛がたっぷりこもってて、せっかくなら録音しとけば良かっ……」
言い終わらないうちに、宵の右手が素早く枕に伸びるのを視認する。
次の行動が予測できたので、晃はすぐに部屋の外に避難しドアを閉めた。
瞬間、ゴスっと派手な音がして、閉めたばかりのドアが揺れる。
(まったく乱暴な……)
晃は呆れたようにドアを見やった。
本当に、枕と部屋を破壊する気なのかと思う。
宵らしいと言えばらしいけれど、照れ隠しにしてはずいぶんと荒っぽい。
晃は、トレイを抱え直して歩き出した。
長い廊下を進みながらも、ベッドの上で顔を真っ赤に紅潮させて睨みつけてくる宵の姿を想像すると、自然と笑みがこぼれてくるのだった。