Memory of Night
第15章 告白
「宵。ハーブティーもう一杯飲む? 他のがいい?」
「……ハーブティーでいい。ありがと」
「どういたしまして」
差し出されたカップを、晃も笑顔で受け取った。
「そう言えば宵に貰ったケーキがあった。一緒に食べよう?」
「……甘いの苦手」
「ならおせんべいでも。なんか見舞いに来てくれた子たちがお菓子いっぱいくれたんだ。食べきれないから宵も食べてって」
困ったようにそんな提案をする晃に、晃もか……と宵はこっそり嘆息する。
晃はオシャレなトレイに二人分のカップを乗せて右手に持ち、ドアを開けた。ふと思いついたように振り返る。
わざとらしく口の端をにぃっと歪め、宵に意地悪な眼差しを向けた。
「あ、そうそう。言い忘れてたけど、さっきの言葉嬉しかった」
「……さっきの言葉?」
宵は両腕をベッドにつき、上体を半分だけ起こして晃を見上げた。
晃は左手で握っていたドアノブを離し、いつもの、優等生の笑みを浮かべて自分の頬を指さした。