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Memory of Night

第3章 秘密


「……晃に関係ねぇじゃん」


 でも、やっぱり宵の反応は予想通り。

 拒絶の言葉。


「まあ……関係ないけど。でも知りたい」

「なんで?」

「――好きだからだよ」


 その言葉に、宵が弾かれたように振り向いた。

 ……好き?

 キョトンとした顔で晃を見る。

 そのあどけないほどに目をパチクリと開けた顔は、かわいくて、どこか女の子のようにも見えてしまう。長い髪のせいでもあるのかもしれないけれど。

 晃はにいっと悪ぶったように口もとを歪ませた。


「君の体と反応がね。それに宵、人形みたいにキレイな顔してるからさ。ガラスケースにでも入れて、飾っておきたくなる」

「……ガラスケースって……」


 内容的にはとんでもないことのような気がするけれど、言っている本人は至ってさわやか。


「ほら、お気に入りのものって、大事に保管しときたくなるだろ?」

「それって、『モノ』だろ?」


 ものと人は、やっぱり違うと思う。

 宵の言葉に、晃は頷いた。それから宵を覗きこむように見て、言う。

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