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Memory of Night

第4章 過去


「……メーワクなんだよ」


 ふいに口をついて出た言葉。


「そうやって、母親面して……! なんなんだよてめーは! 俺に恩でも着せる気だったのかよ……っ!!」


 やりきれない気持ちが溢れ出してきて、抑えきれずに叫んでいた。


「自分の体……そんなにして、ホントにばかじゃねーの……!?」


 もう、込み上げてきた言葉も伝い落ちてきた涙も、止められなかった。

 たくさん、酷いことを言った。

 今までだって志穂に反発したことはあったけれど、あんなに酷いことを言ったのは初めてだった。

 自分に罵声を浴びせる宵の姿を、志穂はただ、虚ろに見つめていた。

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