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Memory of Night

第4章 過去


「何? つーかなんで俺ん家の番号知ってんだ?」

『ハハ。連絡網見たんだよ』

「連絡網?」


 その言葉を、宵は不審に思う。連絡網なんてクラスの中だけで配られるはずなのに、なぜ違うクラスの晃が知っているのか。

 だがそれを聞く前に、晃は早々と用件を告げた。


『今日、学校に集まるだろ? 一時半集合って言われてるけど、宵には十二時半頃までに来てほしいんだ』

「……は? なんで? 俺まだ昼飯食ってねーんだけど」


 ……というより、朝飯も食べていない。


『一食ぐらい抜いたって死なないから平気だよ。宵細いし』


 それはどういう根拠なのか。

 宵は思わず眉をひそめた。

 確かに高校生の男子にしては宵は細い方だったが、だからといって小食なわけではない。

 これは母譲りの体質なのだ。

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