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Memory of Night

第4章 過去


「……ん」


 宵が目を覚ますと、眩しいくらいの陽光が窓から差しこんでいた。


「……ヤな夢」


 呟いて、体を起こす。

 時計を見ると、もう昼近かった。どうりでカーテンごしなのに、外が明かるすぎるわけだ。

 さすがに寝過ぎかな、と思う。

 今日から夏休みだから、晃に呼び出されるまではほとんど予定がない。

 ……はずだったが、今日は特別だった。

 午後から学校に行かなくてはならないのだ。

 なんでも、明日体育館で他校などから教師達が集まり講習会を開くらしい。そのための準備で二年生が呼び出されたのだ。

 確か、一時半に体育館に集合だったと思う。まだ集合時間までは二時間弱ある。

 とりあえず何か食べようと宵が部屋を出ようとした時、突然電話が鳴った。


「はい」


 受話器を取って応答すると、相手は晃だった。

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