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Memory of Night

第5章 玩具


 どうして、強情な仮面を取らないのだろう。素直な反応を返してくれた方が、晃だって嬉しい。

 それでも、ずっと意地を張り続けていても、宵の感じている姿は最高だと思う。

 眺めているだけで、分身が大きくなっていくのがわかった。


(こんな顔を、いろんなヤツに見せてるのか)


 ふと、思う。

 宵は金の為、何人もの生徒と体を繋げているのだ。それが例え、その場限りの一回きりの行為だとしても。

 改めて思い返し、心の中によどんだ気持ちがふつふつと沸き上がっていくのがわかった。

 晃は宵の髪を、再度強く引き上げた。痛みにうめく声が聞こえたけれど、無視する。

 そうして、顔を上げようとした宵の前に自分の分身をつきつけた。


「くわえて」


 冷酷な声で告げる。

 宵は目の前のモノにカァッと頬を染めた。


「口でイカせて」


 そのまま髪を引き、有無を言わさず自分のモノを宵の口に押し込む。


「うまくできたらローターは取ってやる。もし歯を立てるような真似したら、もっと酷いことしちゃうよ?」


 うっすらと笑みを浮かべて言う。

 宵が、ぐっと晃を睨んでくる。

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