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変態センセイの愛人

第8章 指輪




シーンとする間ができてから、北大路さんがバッグからファイルを取り出して紙を私に渡してくる。


「これは前の授業の補足のプリントです。再来週、パソコンスクールで“先生”として待ってますね。
……夜遅くに押し掛けてすみませんでした」


内容は仲直りしたい旨が書いてあることはなく、言葉のとおり授業に関することだった。


私がそのプリントを受け取ると、北大路さんは立ち上がって玄関に向かって歩いていく。



それだけ……?


せっかく話し合いができたのに何も変わらなくて心がドクンッと大きく鳴った。


これから私と北大路さんはただの先生と生徒になるなんて嫌だ……!


「ちょっ、ちょっと待って!……待ちなさいよ!」


北大路さんが靴をはいている時、私は腕をガシッと男らしく掴んで引きとめた。


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