
ショート・ショート
第2章 2.密姫
こんな風に倒れちゃうまで酔っちゃうなんて、はずかしすぎる。
私は差し出されたコップの水を口に含んで、乾いた喉を潤した。
不思議と変な味が少しした。
「お水ありがとうございます」
半分ほど水の入ったコップを近くの机に置く。
この水、私に合わないのかな?
変な味がするような、
レモン水みたいに味をつけたやつかな?
「これ、なんの水ですか?」
「ああ、これはある花から抽出した液体を入れてるんだ。そうすると、」
彼は話すのをやめた。
黙り込んで、私のほうを
じっと、真剣な顔で見つめた。
