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第2章 2.密姫




そして、また話し出した



「僕はこの花の水に反応する人を
ずっと探してるんだ。」



反応するひと?



「そう、普通とは違う反応をするひと」



私の思考を読み取ったように答えた。



「56年前は一人反応したけど、
彼女は死んでしまった。」


人間はなんて、儚い生き物なんだ。と付け加えた。

そして話を続ける



「彼女は僕の密姫だった、
僕はね、君も密姫じゃないかと思ってる。」



56年前?密姫?
何を言いたいんだろう。

一抹の恐れを感じた。

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