
ショート・ショート
第1章 1.主従関係
彼は私にゆっくり近づいて、下着に手を伸ばした。
「これ脱いでね。」
「じゃなきゃ、セックスできないでしょ。」
思考がフリーズする。
政略結婚すらちゃんと理解できないのに、このひとはなんなの。
「無理です、
こんなのありえません。」
彼を睨みつけながらいった。
すると彼の表情が一転した。
「立場わきまえろよ、
会社潰されたいのか。」
さっきとは打って変わって、低く冷たくそして圧をかけるような声。
本性が露わになった。
「お前の意見なんて聞いてない。」
「早く脱げ。」
ーーーそうして今に至る。
彼の言う通り、私は自分の下着に手を伸ばした。
