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ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~

第3章 ~幼少期から中高生時代〜

正門からも裏門からも出られず、
結果的には 塀を乗り越えて帰ってきてたんだっけ。


過去のことを思い出し、懐かしさが込み上げてきた。


「あのころ トオルくんよりモテてたもんね~」

「普通に、卒業したかったぜ。
だから、空手も辞めたんだけどね」


その日、初めてリョウちゃんが空手を辞めた理由が分かった。


「それに…
コイツの飯(メシ)代も稼がなきゃならないし。なっ!」


リョウちゃんは、私の膝の上でスヤスヤ眠っているチビを片手で持ち上げて言った。



「ちょっと、待ってて。
これ 書いたら送ってやるから」

「え〜 いいよ〜 別に。家 近いし」

「遠慮すんなって。送ってくから…」


いつもは、「送っていく」って絶対に言わないリョウちゃんが、今日は何故かやさしい。


「うん… じゃぁ 送ってもらおっかな」

「よしっ! じゃぁ 行こか」


嬉しい一言に、ちょっぴり照れ臭かった。



…――でも、サオリはまだ知らなかった。

そのころは 今のこの状態が、
ずっと ずっと 続くと思ってた……




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