ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~
第4章 ~中高生時代から大人時代~
高校2年の夏休みは、ユウコの家にお泊りして楽しかった。
けれど……
まさかこの後、あんなことが起こるなんて…――
1988年(昭和63年)
あの日、リョウちゃんは集中治療室にいた。
知らせを聞いてすぐに病院へ駆けつけると、既にユウコとトオルくんは先に来ていた。
今、リョウちゃんのお父さんが、先生から事情を聞かされているところらしい。
「何が…あったの?」
恐る恐るユウコたちに尋ねた。
「詳しいことは分からないけど、川下の方で倒れてたんだって。一命は取り留めたんだけど、まだ意識は戻ってないんだって」
ユウコが深刻な顔をして、口を開いた。
トオルくんは、何も言わずただ下を向いていた。
結局、その日は何も出来ず、診断が来るのを待つことにした。
それから2週間後、リョウちゃんの意識が戻ったと連絡があり、私たち三人は再び病院へ駆けつけた。
「リョウちゃん!」
リョウちゃんは、頭に包帯をして痛々しい姿でベッドに横たわっていた。
元気そうな姿にホッとして、涙が溢れてきた。
「リョウちゃん!心配させないでよ!
もう、し 死んじゃったかと思ったじゃないっ!」
「あんた、誰…?」
「え…?」
もしかして、部屋を間違えた…?
急いで名前を確認しに 一度、部屋の外に出た。
302
仲田 亮
なぁ~んだ!
合ってんじゃん!
分かった!
サオリをびっくりさせようとして、態と…?
もう、騙されないからねっ!
「リョウちゃん!いい加減にしてよっ!」
あれ…?
反応しない…?
いつもだったら、すぐ「お前、単純」って、元気な笑い声が返ってくるのに……。