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ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~

第4章 ~中高生時代から大人時代~

【中村 徹】side…


「やっぱり分かるか?リョウの態度」

オレは、機転を利かして病室を出たユウコに問いただした。

「えぇ。確実にサオリに惚れてちゃってるわね」

はっきりとユウコにそう言われたとき、オレの中で初めて、強い嫉妬心が芽生えた。


「オレ、サオリちゃんが好きなんだ…」

“コイツにだけは打ちあけておこう”と、勢いで告白してみたのだが、ユウコは顔色ひとつ変えず、平然としていた。


「驚かないのかよ?」

「知ってたわよ。何となくね…」

ユウコの思わぬ発言に動揺を隠しきれなくなったオレは、冷静さを失っていた。

「お前… いつからだ?」

「さぁ… いつからでしょうね」

ユウコは、態と思わせぶりな態度をとってはぐらかす。
全てお見通しって訳か…

コイツが約束を守るのかは微妙だったが、
こうなったらもうヤケクソだ!


「サオリちゃんには、“絶対に”言うなよ」

オレは、”プライド”を捨ててユウコに頼み込んだ。

「言わないわよ。神に誓ってもね」

ユウコは、今まで見せたことがない真面目な顔をした。
いつの間にかオレは、誰にも打ち明けたことがない自分の気持ちを告白していた。


「気が付いたら、好きになってた。可笑しいだろ?
このオレが、本気で誰かを……」

てっきり、馬鹿にするだろうと思っていたのだが、

「別に、可笑しくないわよ!」

ユウコは、急に声を荒げて言った。

「あの二人には、上手くいって欲しいんだ」

オレは、自分の気持ちに共感してくれる人が身近にいるのを感じ、それで満足した。

「でも、あんた… 本当にそれでいいの?」

「惚れた女の為だったら、何でもするさ」



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