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ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~

第4章 ~中高生時代から大人時代~

ユウコがトオルくんに目を向けると、トオルくんは素知らぬ顔をした。

「あぁ~そう。あんたたち二人で、サオリの話でずいぶんと盛り上がったみたいね……?」

ユウコが皮肉めいた口調で言うと、

「べ、別にオレは……
そういうの興味ないから……」

リョウちゃんは、急に顔を赤くしてそっぽを向いた。


や…嫌(ヤ)だ、リョウちゃん……
もしかして、サオリのこと意識してる……?


「じゃ、アタシらはそろそろお暇(イトマ)しようかしらね」


ユウコはそう言って、トオルくんに視線を送ると、

「トオル アタシたちは先に帰るわよ」

って、今 来たばかりなのに、トオルくんを連れて早々と帰って行った。


「じゃぁ、サオリもそろそろ帰ろうかな?」

そう言いかけたとき、リョウちゃんに引き止められた。


「…もう少しだけ居てよ」

「うん。じゃぁ …もう少しだけ」


嬉しかった。
初めてリョウちゃんと相思相愛になれた気がした。


「明日、もう 退院しても大丈夫だって…」

「え・・・? ホントに?」

「今までありがとうな」

今までの彼らしくない言い方をされると、急に 涙がじわっと溢れてきた。

「嫌(ヤ)だ… 死ぬようなこと言わないでよ…」

すると彼は、「フッ!」と笑って言った。

「サオリちゃんを置いて死ねないよ」


もう、リョウちゃんのこの呼び方にも慣れてきたけど、初めて「”ちゃん”付け」で呼ばれたときには、かなり違和感があった。



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