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忘れられた塔

第2章 旅人がみたもの

旅人は何故か急に立ち止まり、透明な雫が階段に零れ落ちて。


今も来ない相手を待っている。


いつから?


「……シオンの花、」


旅人の口から零れた言葉は花の名前。


何かにとりつかれたかのように、突然旅人は走り出しました。


叶わなかった約束ーーどんな想いで、待ち続けたのだろう。


ついに旅人は永い螺旋階段を登り終え、頂上に辿り着きーーーー


「“迎えにきました”」


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