テキストサイズ

忘れられた塔

第3章 とある姫君と騎士

“シオンの花束を持って、必ず迎えに来るから”と。


姫君はそれだけをただ信じて騎士を待ち続けました。


しかし、騎士が戻ってくることは二度とありませんでした。


“シオン”


それは旅人が見つけた古い日記のタイトルであり、何度も出てきた花の名前でした。


読める状態のまま見つかったのも、旅人が手に取ったのも、それもまた奇跡。


旅人の記憶からも忘れ去られようとして、再び繋がったーー大きな奇跡。


幾つもの奇跡の果てに旅人がみたものは。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ