
take a breather
第25章 P・A・R・A・D・O・X
大野先生からお茶のお誘いのメッセージを貰った時
行きたい気持ちと、会うのが怖い気持ちがせめぎ合った
結果、送った返事は
『文化祭の準備があるので、しばらく美術室にはお邪魔出来ません
展示の準備は必要なら手伝います
その際は連絡ください』
文化祭のクラス準備があるのは事実
でもそんなに時間は掛からない
仕入れの注文は既に済んでいるし
メニュー表は字の上手い女子が手分けして手書きで作る
正直、俺は前日の部屋の飾り付けを手伝うくらいだろう
それだって、俺の不器用さを知ってるクラスメイトたちは、俺に何も期待はしていないはず
なんなら『当日だけ頑張ってくれれば良いよ』って言われる可能性だってある
放課後、都合のつく者だけで準備を進める
経費を掛けないように、派手な飾り付けはしない
用意するのは甘味処らしい看板と、のれんだけ
俺には一切手出し出来ないが
美術室に行かないと言った手前、このまま帰るのも気が引けて
教室に残って活動してる人たちを眺めてた
楽しそうにデザインの相談をしながら進められていく作業
たまに『どうこれ?』なんて声を掛けてくるクラスメイトに
『良いと思う』なんて笑顔で返す
準備期間に余裕があるから『今日はこのくらいで止めにしとこう』となったのは、5時を少し過ぎた頃
いつもなら美術室でコーヒーを飲んでる時間だ
鞄を持ち、クラスメイトと教室を出ようとした時
先に教室を出た女子の声が聞こえた
「あっ、大野先生」
「あれ?もう終わり?」
聴き慣れた声に、ドキッと痛いくらいに心臓が鳴る
「はい。そんなに急がなくても間に合うので、今日は終了です」
「お疲れさま、気を付けて帰ってね」
「は〜い、さようなら」
行きたい気持ちと、会うのが怖い気持ちがせめぎ合った
結果、送った返事は
『文化祭の準備があるので、しばらく美術室にはお邪魔出来ません
展示の準備は必要なら手伝います
その際は連絡ください』
文化祭のクラス準備があるのは事実
でもそんなに時間は掛からない
仕入れの注文は既に済んでいるし
メニュー表は字の上手い女子が手分けして手書きで作る
正直、俺は前日の部屋の飾り付けを手伝うくらいだろう
それだって、俺の不器用さを知ってるクラスメイトたちは、俺に何も期待はしていないはず
なんなら『当日だけ頑張ってくれれば良いよ』って言われる可能性だってある
放課後、都合のつく者だけで準備を進める
経費を掛けないように、派手な飾り付けはしない
用意するのは甘味処らしい看板と、のれんだけ
俺には一切手出し出来ないが
美術室に行かないと言った手前、このまま帰るのも気が引けて
教室に残って活動してる人たちを眺めてた
楽しそうにデザインの相談をしながら進められていく作業
たまに『どうこれ?』なんて声を掛けてくるクラスメイトに
『良いと思う』なんて笑顔で返す
準備期間に余裕があるから『今日はこのくらいで止めにしとこう』となったのは、5時を少し過ぎた頃
いつもなら美術室でコーヒーを飲んでる時間だ
鞄を持ち、クラスメイトと教室を出ようとした時
先に教室を出た女子の声が聞こえた
「あっ、大野先生」
「あれ?もう終わり?」
聴き慣れた声に、ドキッと痛いくらいに心臓が鳴る
「はい。そんなに急がなくても間に合うので、今日は終了です」
「お疲れさま、気を付けて帰ってね」
「は〜い、さようなら」
