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take a breather

第25章 P・A・R・A・D・O・X

文化祭当日は、女子のイタズラ心が更に加速

真っ赤なリボンを頭に付けられ、唇には紅までさされた

「マジでこの格好で出なきゃダメ?」

着物までは耐えられたけど、リボンと口紅は恥ずかし過ぎる

「「ダメーっ」」

その場にいた女子全員の声が揃う

「…わかりました…いってきます…」

肩を落としながら客寄せの為に廊下に出ると
そこに二宮先生が姿を見せた

「おー!櫻井。メッチャ可愛いな?」

ニヤニヤと笑いながら言われても、馬鹿にされているとしか思えない

「もっと愛想良くしろよ
それじゃあお客さんが入ってくれないぞ?」

「わかってます…」

「いやぁ、それにしても誰が選んだか知らないが、ナイスな人選だな」

「なんでですか」

「ん?着物って、撫で肩の方が似合うんだぞ?
知らなかったのか?」

やっぱ馬鹿にされてる…

「そんなの知りませんよ…
着物なんて、七五三以来着たことないし」

「だよなぁ…
ちょっと写真撮らせて?」

「嫌ですよ
なんで二宮先生に写真撮られなきゃならないんですか」

「もちろん報告の為、だろ?」

嫌だと言ってるのに、勝手に撮影をしてる二宮先生

「よしっ、送信、と…」

「ちょっ!マジでやめてください!」

「ふふんっ、もう送っちゃったし〜」

「削除出来るでしょ!」

「おっ、既読が付いた」

楽しそうに画面を見る二宮先生

「もぉ〜…誰に送ったんですか…」

「すぐにわかるんじゃない?
じゃあ、頑張れよ?町娘」

二宮先生は笑いながら教室の中へと入って行った

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