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take a breather

第25章 P・A・R・A・D・O・X

前日準備で、クラスの男子と教室内のセッティング

案の定、俺の出来そうな事はなく
頑張ってくれてるクラスメイトの邪魔をしない事が俺なりのお手伝い

すると、教室の端で別の準備に取り掛かってた女子たちからお声が掛かる

「櫻井くんっ、チョイチョイ」

手招きされ『男手が必要なのか?』と、ご機嫌で女子たちの所へ歩いて行く

「なに?」

笑顔で問いかけると、ニコッと笑った女子たちが
いきなり俺の制服のシャツのボタンを外し、瞬く間にTシャツ1枚にされた

流石にズボンは脱がされなかったけど
女子に洋服を脱がされるとは思ってもいなかった俺は、驚きのあまり身動き出来ず固まった

その間、腕に何かを通される

ハッと意識を取り戻すと、女子たちがニコニコ顔で俺を見つめてた

「やっぱ正解!」

「でしょ〜?」

「他は?誰ならいけそう?」

目の前の女子たちがキャッキャッと盛り上がっているが、何が起こった?

自分の体を見下ろすと
桃色の着物を着せられ、黄色い帯まで締めてある

「えっ⁉︎なにこれっ⁈」

「飾り付けが江戸時代のお茶屋風だから、衣装は町娘風にしてみた
どう?可愛いでしょ?」

早速写真に撮ったらしく、スマホの画面を俺に見せる女子

「イヤ!可愛くねぇし!
町娘なら女の子が着ればいいじゃん」

「えー。それじゃあ客寄せにならないわよ
男子が町娘に扮するから面白いの!」

面白さを追求するなら、確かに女子より男子だろうけど…

「明日、よろしくね」

ニコッと笑う女子たちの集団に向かって『嫌だ』と言える程、俺は怖いモノ知らずでは無い

「う”ー…わかったよ…」

お祭りだしな…みんなに楽しんで貰えるなら、まぁいっか…

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