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take a breather

第9章 Calling

ブルーが目覚めてしまったせいで結局風呂にも入れず終い

ミルクは催促はしてこなかったが
翔がブルーから離れられなくなってしまった

「ふふっ…かぁわいい…」

何度目だ?それ…

まだよちよちとしか歩けないブルーが歩く度に呟く

その眼差しは本当に愛しい我が子を見守る母のよう

実際可愛いよ?俺も可愛いとは思う

でもさ、もうかれこれ30分近くこの状況が続いてるじゃん

俺の存在忘れてないよな?

世間の旦那さんたちもこんなヤキモチ妬いたりするだろうか…

「翔、そろそろメシ…」

「あっ!ほんとだ 6時過ぎてる!ごめんね、ブルー
すぐにミルクあげるからね」

「みゃ…」

いや、じゃなくて…
そろそろメシの仕度って言おうとしたんだけど…

そそくさとキッチンへ行き、ミルクの準備を始める

その後についてキッチンへ入り冷蔵庫を開けた

「大野さん、ブルーにミルクあげたらすぐに手伝いますね」

「ん、よろしく」

良かった、俺のことも忘れてなかった

当たり前か…でもそんな些細な事でもホッとする

ミルクを飲ませ終わると翔はすぐにキッチンへ入ってきた

「お待たせしました
俺、何やればいいですか?」

「先にツマミ作るから それ混ぜてくれる?」

材料を入れたボールを指差す

「これ、なんです?」

「ナムル風和え物…
茹でたもやしときゅうりの細切りをゴマ油とガラスープの素で味付けて
それに白ゴマかけるだけ、簡単だろ?」

「へぇ…美味しそう…」

「簡単だし、コストも安いし
ゴマ油使うから香りも良くて食欲も進む
夏場にはもってこいのツマミだよ」

「凄いっ、大野さん主婦みたい」

「さ、早く作って食おうぜ
今日はニノにこき使われたせいで腹減った…」

「ごめんなさい…俺、ひとりで休んでて…」

「あぁ、気にするな…ニノも言ってたろ?
十分癒して貰ったって」

「言ってましたけど、どういう意味です?」

「ははっ、やっぱわかってなかったか」

あの時もキョトンとしてたし

「はい…写真を見せられただけなんで」

「翔の寝顔が可愛かったから
それ見て癒されたって話だよ」

「え?可愛い?寝顔が?」

「うん、スゲェ可愛かったよ」

翔を見てニコッと笑うと『ボンッ』って音がするんじゃないかと思うくらい
顔が一気に真っ赤に染まった

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